東京ジャイアンツ北米大陸遠征記

東京ジャイアンツ北米大陸遠征記

東京ジャイアンツ北米大陸遠征記

図書館にあったので借りてみた。まともに買うと5250円、484ページというかなり高くて濃い本*1
中身は、タイトルの通り、東京ジャイアンツ・・・というか、当時は「大日本東京野球倶楽部」であり現在は当然「株式会社読売巨人軍」の、最初の(2回目はほとんど載っていないのだ)北米遠征の記録を追っかけたもの。
このときの遠征の記録は戦争で消失してしまっているので、作者はどうやって探ったのかと言うと、遠征先の北米の新聞やら参加者の日記やら書籍やらをひっくり返して再検証している。

再検証した結果、試合数から勝敗数も微妙に異なっていた・・・というのが分かるのだが、個人的には"北米遠征は何のためだったのか、そしてその結果はどうだったのか"という事がなんとなく見えてきたことが新鮮だった。

以前「その時歴史が動いた」で選手のことを取り上げたりとかしていたので知った名前も多かったのだが、その番組の印象を含めて、この遠征は、"武者修行"、"貧乏旅行"というイメージが強かった。

しかしこの遠征、「修行」じゃなくて、「大日本東京野球倶楽部」の「事業」だったということ。つまり商売。これは当時のアメリカのプロ野球リーグ事情が今と大分違っていて(MLBが未だ"東海岸・白人"限定だった)、独立チームがもっとたくさんあったからできた形態だったみたい。

そのほか、遠征中の人間関係とかもかなり色々あったみたい。この本では本当に遠征しか書いていないけど、そのあとこのメンバーが創設間もない日本野球機構でどれくらい出ていたのか、試合数を見るとその少なさ、非巨人度に驚いた。

*1:自分の中での最高値はプロ野球ユニフォーム物語(7000円